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オープンリレーションシップについては「受け入れられないのが普通」という描かれ方をしているのに、非婚主義については一般的なこととして書かれているのが新鮮。
「『何があっても自分だけを愛してくれる人』が強力なファンタジーになるのは、それが現実にはほとんどないからじゃない?」というセリフを、オープンリレーションシップ反対派の登場人物が言うのが面白い。
オープンリレーションシップを持ち出すことによって、各登場人物が、今まで目を背けていた既存のロマンスの問題点に向き合わないといけなくなる展開が良い。
主人公に「自分は恋人に所有はされたくないが、自分は恋人を所有したい」という考えがにじみ出ていてどうなるのかと思ったけど、ラストの展開はとても良かった。
あとがきの「エゴマの葉論争」が懐かしい。言われてみると所有意識の有無が丸出しになる話題だった。
「性的マイノリティが存在していて」と同時に「二元論的異性愛者の中でさえ多様な考え方があって」をやらないといけないよなーと思った。